2012.05.15
新連載『MIX』
あだち充先生の新連載「MIX」が始まりました。
舞台は明青学園。
現実には存在しない中高一貫のこの学校に、
まるで自分の第二の母校であるかのような愛着と郷愁を感じるのは
僕だけではないはずです。
毎年夏になるとあだち先生と取材に訪れる甲子園球場。
両翼のアルプススタンドには出場校の在校生・卒業生が多く詰めかけます。
歴史ある高校の「初出場」「数十年ぶりの出場」ともなれば
その盛り上がりはすごいものです。
球場だけでなく、日本中のTV・ラジオの前には、
その何十倍もの卒業生の笑顔があるはずです。
在校生、卒業生、教師、関係者、その家族、友人、恋人、地元の方々などなど。
彼らはそれぞれの思いを胸にひとつの高校を応援します。
甲子園球場のグラウンドで躍動する球児たちの一挙手一投足は
応援する者すべての青春の輝きと追憶を代弁し、思い出させてくれるものだからです。
青春のただ中にいる在校生。
在りし日の青春を追憶する卒業生。
彼らを長い年月見つめ続けた家族、教職員、地元の商店街の店主たち。
思いはさまざまでも、それらはすべて限りある人生の輝きに違いありません。
明青学園。
その意味において、この高校ほど多くの「卒業生」をもつ高校は地球上に皆無です。
その卒業生の中には今まさに青春のただ中にいる10代の方もいるでしょう。
学生生活は終わり、自分の人生を切り拓こうとしている20代の方もいるでしょう。
夫となり妻となり父となり母となった30代、40代の卒業生も多いでしょう。
でも、彼らが明青学園に想いを馳せる時、その目はどれも青春時代のままのはずです。
明青学園がもう一度夏の甲子園に出場する夢を、全国の「卒業生」と共に見たい。
それがあだち先生と僕の願いです。
ゲッサン編集部 市原武法