2017.03.11

2017年冬期新人賞結果発表！受賞作品はこちら!!!

4月号付録mini春に掲載!!
『LOVE SOLDIER キャロライン』36p
佐乃夕斗（20）徳島
あらすじ
気高く強く、ある意味美しい、愛の戦士・キャロライン！
今日も彼女は乙女の危機に駆けつける、が…！
皆川先生より
絵や構成力、全ての点において即戦力の人だと思います。キャロラインちゃんはとても個性的でいいキャラだけど、気持ち悪すぎるので次の作品では違うキャラでお願いします。
編集部より
編集部一同、大絶賛の画力！個性的なキャラクターとインパクトのある見せ場が楽しい。やや勢い任せなところがあるので、ドラマを磨こう！
個性的なキャラクター
ビジュアルからインパクト抜群のヒロイン、キャロライン。
見た目通りのたくましさ、ギャップになる乙女らしい姿を勢いよく描き切った！
圧巻の作画
デッサン力の高さから生み出される読者を圧倒する画力！
遊び心のあるシーンごとの演出も魅力的で見ているだけでも楽しい画面を作っている！
4月号付録mini春に掲載!!
『鬼の棲む森』40p
下田菜穂（21）京都
あらすじ
騎士見習いのアレスは、森で出会った吸血鬼に血を吸われ下僕にされてしまう。
元に戻るためには吸血鬼を殺さなければならないが!?
皆川先生より
絵に多少の古さは感じますが、キャラも話もしっかりまとまっていてとても面白かったです。
ただ、自分が言うのもなんですが、全てのコマに背景を埋めすぎてうるさくなっています。
抜くときは抜き、コマにメリハリをつければさらに良くなると思います。
編集部より
画力が高く線がとてもキレイで読み応えあり。
反面、文字数が多く話に入りづらいので、絵でわかる説明は省略し、テンポを整理しよう。
飽きのこない演出力！
何が起こったのか、何が出来るのかを１コマで見せる画面演出が巧み！
ページの“めくり”を意識した右上のコマにサプライズを仕掛けることで読者を飽きさせない！
4月号付録mini春に掲載!!
『キライだってスキの家』24p
黒逆みや（17）大阪
あらすじ
黒崎めぐみは白石りょうたが大キライ。
キライすぎて昼も夜も考えてしまう。キライすぎて心臓がえぐられるように痛くなる…
皆川先生より
セリフのテンポがよく、とても読みやすかったです。しかし内容が薄いことと絵が雑です。
そしてコマ運びが基本４段なのは読みやすさを狙ってわざとそうしてるのか、そうでないのなら色々と雑すぎます。
雑誌で読ませるのならもっと工夫し、丁寧に描いた方が良いと思います。
編集部より
基本４段区切りのコマ割りの中、抜群の空間構成力で飽きさせず、またキャラの表情描写が見事。
線や仕上げが粗く感じられるのが勿体ないので画力の向上を！
表情豊かなキャラクター！
シンプルな構成ながら、様々な表情を見せることにより、キャラクターが自然に浸透していく！
いい意味での“定番”が生まれ、愛されるキャラクターに!!
『ミーアハット』16p
墨染清（22）大阪
あらすじ
強面の高校生、笑太郎の元にやってきた、しゃべるミーアキャットのハット。居座ろうとするハットと笑太郎の、小競り合い勃発…!?
皆川先生より
ミーアハットのキャラと笑太郎君の掛け合いがとても面白く、楽しく読めました。
しかしミーアハットのデザインに特徴が無さすぎです。帽子とマントをつけるだけでなく、もっとコミカルなスタイルにしても良かったかなと。
そしてもっとミーアキャットの特性を生かした展開にして欲しかった。
編集部より
見た目とは違って腹黒いハットが可愛い。ただキャラに「目的」がないのでドラマが生まれにくくなっている点は次回の課題。
かわいさとブラックさの…ギャップ!!
ファッションもばっちりキメて、とっても可愛いハット。…が、笑太郎と会話をしているとダークな一面がちらちらと…
色々な側面からキャラを描写するとその魅力がぐっと増す！
『S.T R RIN』24p
ヨシダキヨシ（22）兵庫
あらすじ
背の低い星川凛は、チビだチビだと言われる日々に辟易していた。
ある時、自分より背の高い奴を倒せば自分が一番になれると気づき!?
皆川先生より
絵のセンスはいいし、セリフ回しやコマ割りも上手です。しかし作品自体が小じんまりし過ぎているのと、最後の見せ場の描き方がとても雑です。
スターリンと大粛清を使ったネタも少し無理があると思いました。
編集部より
セリフ回しが上手くテンポよく読めるが、ネタを上手く扱いきれていないようなので、もっとシンプルなネタから始めてみよう。
テンポの良いセリフ回し！
要所要所で見せたいセリフを分かりやすく簡潔に入れる事によって、読者がセリフを追っていく中で自然と言いたい言葉が伝わりやすいようになっている！
『手品師とちいさな恋』40p
単三（21）静岡
あらすじ
旅の手品師に、何度も「結婚して」というメッセージを送る少女。無愛想でいつも独りでいる少女の思いに、手品師の出した課題は…!?
皆川先生より
女の子はとてもかわいく描けていると思います。しかし主人公の手品師に魅力がありません。
デザインもそうですが、もう少し個性を持たせても良かったと思います。あとストーリー、構成ともにもっと絞ってメリハリをつければさらに読みやすくなると思います。
編集部より
かわいらしくてホロリと泣ける、いい話でした。画力及び画面構成には課題が残りますが、短くまとめる工夫で上達を！
『恋のためならどこまでも』22p
田中俊輔（19）佐賀
あらすじ
中学一年生・夢咲このみはオタクが大嫌い。しかし片想い中の松原先輩はオタクな上に、同級生の水谷さんとオタク話で気が合う…!?
皆川先生より
絵はきれいでキャラもとてもかわいく描かれていると思います。しかし結局ヒロインがオタクのイケメン先輩に媚を売るだけのつまらない話になってしまっています。
いっその事どんなキモオタ野郎であってもイケメンだから超好き！という変態的情熱がヒロインに欲しかったです。
編集部より
シンプルで読みやすいネタ選びと、画面演出で見せる工夫が良い。絵柄もかわいらしいがストーリー的にはもう一ひねり欲しい。
選外佳作 (原稿用紙50枚進呈)
『Hello!! Working』40p
あいら芙友（23）茨城
編集部より
全体的に丁寧で好印象だが、何か一つ光るものを見つけたい。構成力が今後の課題。
『ハライモノ』 37p
佐々木愛梨（18）福岡
編集部より
粗削りだが、画面の作り方にセンスを感じる。たくさん描いてレベルアップを！
『ゆかいなゆうかい』24p
八重樫英哲（21）埼玉
編集部より
構成、コマ割りが単調で、盛り上がりが分かりづらい。画面作りを工夫してみよう。
『美少年観察日記』24p
奈木きりん。（18）岐阜
編集部より
キャラを描こうという意識は感じる。画面があっさりしているので構図を意識して。
『クドリャフカにさよなら』47p
井蛙ことり（26）広島
編集部より
描きたい事が先行し過ぎて読者に不親切。プロットの段階で客観的視点をもって。
『聖人くんと咲ちゃんの夏休み日記』24p
志藤匡平（21）京都
編集部より
暖かい空気感は伝わるが、それを活かす画面作りが必要。画面構成やコマ割りを意識して。
『帰路のみちこさん。』34p
沢藤健（18）東京
編集部より
ネタと絵柄があっていない印象。色んなジャンルに挑戦して、自分の色を見つけよう！
『我々は普通に暮らしたい』16p
真山光敬（19）静岡
編集部より
読みやすいがキャラものとしては少々勢い不足。画力中心にレベルアップを！
『ネロと約束』32p
村田絢香（21）兵庫
編集部より
可愛らしい絵柄が好印象だが構成が甘い。読者に何を見せたいかをよく考えてみよう。
『さよならだけの人生だ』18p
芳宮（22）神奈川
編集部より
ドラマティックな演出にこだわりは感じる。もっとシンプルな設定から初めてみては。
最終選考
『生き女死に女』16p 塚旗ラリ（25）秋田
『ヘイト・オブ・ヒーロー』34p 永嶋達也（20）栃木
『キラキラ』31p 川内涼太郎（24）福岡
『ピンチ!!転校生』20p 山田ふひと（23）京都
『妄想少年デミズ』30p 二瀬康平（24）埼玉
『おとなりはフランス人』28p 赤松恒平（26）東京
『Future』41p 岩佐真（20）愛知
『悪魔の契約』24p もやし（21）岐阜
『SOUL MATE』42p 山下由介（27）千葉
『HERO』35p 石橋勇太朗（23）福岡
『先生とナイショ』16p 平井佳菜（19）京都
『桐島さんと、俺』24p 百瀬マチ（22）東京
『真琴ちゃんのまこと』16p 作画：榊原廉（24）兵庫原作：小林稜（24）京都
『～全く新しいサッカー～倫理』11p てにおかひろし（25）東京
総評
皆川先生より
今回選考させていただいた総括として、どの作品も絵がきれいになっているけれどにじみ出る魅力がないというか…うまくまとまってはいるけれど、小じんまりとした作品ばかりだったと思います。
粗削りでも、未熟でも、自分のこだわりを前面に押し出してくるようなチャレンジ精神旺盛な作品も読みたかったというのが正直な感想です。
その中でも『LOVE SOLDIER キャロライン』の佐乃さんのような即連載出来そうな力を持っている人から、まだまだ伸びしろがありそうな人まで…色々な作品に触れて自分も頑張らないとなぁと思い起こさせてくれてとても楽しかったです。
ありがとうございました。
編集部より
今回も入選3名、佳作2名、奨励賞2名という豊作で、入選の3名が見事デビューとなりました！
圧倒的画力で編集部の度肝を抜いた『LOVE SOLUDIER キャロライン』の佐乃夕斗先生、緻密な人物描写と丁寧な作画で即戦力として期待できる『鬼の棲む森』の下田菜穂先生、そして若干１７歳ながら構図力やキャラクターで抜群のセンスを見せつけた『キライだってスキの家』の黒逆みや先生は、まだまだ掲載するには雑さが目立つことからネーム賞にとの声もありましたが、これから十分に成長が期待できる才能と見込んでの受賞となりました。
今回、審査員である皆川先生が“小じんまり”という表現を使われていたかと思います。
漫画は伝えるための手段でしかありません。漫画以外の色んな事に興味を持って楽しんでください。