2017.09.12
2017年夏期 新人賞結果発表!受賞作品はこちら!!!
10月号付録mini秋に掲載!!
- 『アーミー・クロー』39p
- 森餅小梅(20)大阪
- あらすじ
- 少年兵のノアは、世界で唯一の龍の生き残りアマリスと心を通わせていくが、国境を越えてテロリストが侵入してきて…!?
- 島本先生より
- あーもうこのまま連載して人気出てアニメ化してグッズ出して家建てたら?ってくらいの作品と思います。設定がど真ん中すぎる気もしますが、このページ数ならこういうものかな。20歳でコレならもう天才でいいよ。
- 編集部より
- 人物の絵はとても端麗で表情豊か。王道の設定とストーリーもしっかり見応えがありました。アクションシーンにもう少し迫力とスピード感があると更に良かったです。
重たい設定を吹き飛ばすキャラクター描写!!
少年兵士+人外という、王道ながらやや重たい設定。重厚なストーリーをしっかりと読ませるのは構成の巧みさに加え、端麗なキャラデザと豊かな表情。主人公が活躍してほしい、幸せになってほしいという“共感”を生み出す絵の力、それこそ“画力”!
10月号付録mini秋に掲載!!
- 『遊部さんと放課後』42p
- ぱんやかわ(22)滋賀
- あらすじ
- 見た目のせいで周囲から怖がられている金田一。遊部さんが作っていたトランプタワーを崩してしまい、ゲームで勝負することに…!?
- 島本先生より
- きちんと読ませて頂きました。構図もきちんとがんばって取っているし、面倒なところもきっちりと描いてあるなぁと感心しました。全体的に地味なので、記憶に残るシーンとかがほしいですね。
- 編集部より
- 地味なテーマ、長めのページ数ながら表情や背景の作画が丁寧で、最後まで飽きさせずに読ませました。描写力の高さと好感度の高いキャラクターで、ラストの青春感も◎!
青春ものは背景と表情で魅せる!
地味なテーマの作品で、ページ数も長いものの、細かく絵の演出が挿入されていて飽きさせない。またキャラの表情や背景を丁寧に描くことにより、作品全体に“空気感”が生まれ、感情表現が言葉にしなくても伝わる。特に青春ものを描くには必須の技術!!
- 『来タレ!星修高等学校オカルト研究部』25p
- 中島秀夫(20)京都
- あらすじ
- オカルト研究部のもも子は、授業中もずっと段ボール箱をかぶっている。出会うと顔を剥がされると噂の「箱女」との関係は…!?
- 島本先生より
- 楽しい作品なのですが、気持ち悪いシーンの処理の仕方をもう少しスタイリッシュに変えたら?と思います。ラストはスカッと気持ち良かったですね。前半のハコ女のキャラは可愛い+気味悪いがうまく交ざってて良かったです。
- 編集部より
- 巧みな構成と溢れる個性が光る。読みやすいシンプルな画面に魅力的なキャラクターで世界観に引き込んでくれる。次回作にも期待!
キャラクターは第一印象が命!
ヒロインの初登場シーン。通販サイトの箱をかぶり縦笛を吹くインパクト大の第一印象。この後何が起こるのか、何をしでかしてくれるのか期待がぐっと膨らむ!
- 『BLUE FUZZ』41p
- 植松七志(20)兵庫
- あらすじ
- 念願だった警察の特殊犯罪捜査部隊に配属された警察官のナイトリー。しかしバディのジョナサンとは日々衝突するばかりで…!?
- 島本先生より
- 絵が上手すぎる為に内容ももう少しと思って読んでしまいますね。ストーリーが読者の感情を無視してつっ走ってしまっている感じがするので「どういう気持ちで読んでるのか」想像しながら進めるといきなりレベルがぐっと上がると思います。
- 編集部より
- テンポの良い話運びとキャラクターの掛け合いが巧み。絵が上手いのでアクションシーンのノウハウを勉強して更なる高みを目指して!
まずはテーマを冒頭に見せろ!
2ページ目、最初の大ゴマ。これだけで、ヒロインがライバルと競い合っているという作品の主題が伝わる。説明より先にシーンで伝えるのが読者を引き込むコツだ!
- 『シュシュパンツ』26p
- ヨシダキヨシ(22)兵庫
- あらすじ
- 風紀委員の村田は、校則で禁止されているシュシュをつけている立花にとるよう言うが、渡されたのはまさかのパ…パンツ!?
- 島本先生より
- くだらなくて最高!こんな作品読んでもなんのプラスにもならないのに記憶にがっちり残ります。全編下ネタなのに絵が全然エロくない、むしろストイックに感じるのは作者の嗜好でしょうか?人気が一気に爆発する人だと思います。
- 編集部より
- シンプルなネタと、セリフのテンポが良いのでとても読み易い。絵に華がプラスされると作品の魅力がグッと増すので絵を意識して。
シンプル&インパクト!
「同級生のシュシュをもらったと思ったら、それはまさかのパンツだった・・・!?」と一言で説明できる、シンプルかつ引き込まれるあらすじ。そして大ゴマを大胆に使ったインパクトのある画面構成。とにかく「読んでもらおう」という意気込みが◎!
- 『光を継ぐ者』31p
- 桜井万歩(22)静岡
- あらすじ
- シャロンの友達として作られた機械のレオは、シャロンと部屋で過ごす中内に「外」への憧れを募らせ、ついに約束を破り部屋の外へ出るが――
- 島本先生より
- 短編でまとめるにはテーマが大きすぎてちょっと消化不良を起こしてしまった感じ。内容は感動出来るものなので、力はある人だと思います。バサッとエピソードを切る手法を使えるようになったら化けるのではないでしょうか。
- 編集部より
- 大きなテーマの作品をきっちりと作っているところが好印象。情報整理とハッタリの効いた演出力を身に付けると大きな武器になる!
「感情表現」を最重視したシーン描写。
シンプルな設定、ストーリー展開にも関わらずしっかり心揺さぶられるのは、その状況毎のキャラの感情がストレートに伝わるからだろう。素朴ながら良い表情、セリフが描けている!!
- 『東雲写真館』32p
- Noni(22)神奈川
- あらすじ
- 来夏が撮った写真には…人の不幸が写る。それは行方不明者の人骨、未解決事件の手がかり…無垢な彼女はそれに気づくことなく。
- 島本先生より
- すごく面白いし読み易いのですが、暗くて救いがない(絵は可愛いので緩和されています)ので、読んでて困ってしまいます。続きが気になるのできっとこの後救いがある展開になるんだろうなぁと想像するほど先を読ませて欲しいですね。先がないと困りますね(笑)。
- 編集部より
- まだまだ雰囲気先行のところはあるが、伸びしろはたくさんありそう。一作目という事なので、どんどん描いてスキルアップを!
ストーリーを活かす演出力。
あくまで良いと思った場所を写真に収めているだけの無邪気な少女と、彼女の特異性に気付いた周りの人たちとが、交互に場面転換することにより物語の雰囲気を効果的に演出している。
- 『鬼の手』33p
- 佐々木愛梨(19)福岡
- あらすじ
- 鬼の手を持つ涼は、現れる鬼を封印しながら6年前に鬼に攫われた弟を探していた。ある日対峙した鬼が弟と同じ数珠をしていて…!?
- 島本先生より
- 設定がつくりこまれていないうちに描いてしまった感があるので、何作かこのテーマで描くと自分のものに出来るのではと思います。暗いままの救いのない作品なので、どこかにホッとするシーンとかエピローグとか欲しいですね。
- 編集部より
- 絵は未熟さが目立つものの、真っ直ぐなキャラクターとテーマには好印象。画力を磨いていけば王道少年漫画を描けるようになりそう!
予感をさせるタイトルページ!
漫画で意外に重要なのがタイトルページ。魅力的な絵柄・構図であることはもちろん重要。さらに作品のジャンルや何が起こるかを暗示して期待を膨らませる“予告”の効果も!
選外佳作 (原稿用紙50枚進呈)
- 『マジカルアーチ!』34p
- 九頭龍仁(24)大阪
- 編集部より
- 気合の入ったアクションは良いが、ドラマが薄れがちなのでエピソードの掘り下げを!
- 『猫の惑星』 15p
- 白井もも吉(22)神奈川
- 編集部より
- 雰囲気は良いが、タイトルで想像するものと実際の内容にズレを感じてしまうのが惜しい。
- 『億分の一の幸子』17p
- 積木堂(26)大阪
- 編集部より
- ネタに対してキャラを上手く扱いきれていない印象。淡白さを活かしたテンポを意識して。
- 『泡の夢』21p
- 真白豪(19)京都
- 編集部より
- 雰囲気を活かすにはまだまだ全体に粗いので、今はとにかく丁寧さを心がけてみよう。
- 『ミスティックヒーローズ!』16p
- 梅雨前線(19)埼玉
- 編集部より
- 絵自体は上手だが、キャラが沈みがちで全体に読み辛い。読者への意識を常に忘れずに!
- 『初バイト』34p
- 野村一(20)広島
- 編集部より
- 描線にムラがあり雑に見えてしまうのが勿体ない。丁寧さと分かりやすさを念頭に置いて。
- 『ユートピアは現世にあり』36p
- 八重樫英哲(21)埼玉
- 編集部より
- 真面目に作品に取り組んでいるのが硬さになっている。肩の力を抜いて自由にやってみよう。
- 『清掃士ノア』41p
- 水見悠助(24)埼玉
- 編集部より
- 内容の割にとにかく長い。プロット段階で情報の取捨選択と山場の意識をしてみよう。
- 『暮れゆく年は、』24p
- 志藤匡平(21)京都
- 編集部より
- 雰囲気作りは出来ているので、それを活かすだけの描写力と構成力を向上させたい。
- 『家マデオクロ』16p
- 浅水洸輝(20)神奈川
- 編集部より
- キラリと光るものがあるので、一作品一つずつ出来る事を増やして全体のレベルアップを。
- 『グッドラックドッグ』26p
- 折尾舞子(25)愛知
- 編集部より
- 女の子は可愛いがまだまだ画力不足。ストーリーにももうひとアイディア欲しいところ。
- 最終選考
- 『噂の2人はアンダンテ』31p 白倉隆人(25)北海道
- 『完璧主義者の宮元くん』17p 有原和樹(21)岐阜
- 『悪魔来たりてピコピコピコ』31p 瓢野シン(28)埼玉
- 『大きなアホ』18p 岩元ユサ(24)東京
- 『飯田さんと米太郎』28p はれ(27)東京
- 『みいつけた!』16p 桜田サクヤ(21)北海道
- 『カモン!いとしの青春ナンバー3』20p 大槻新(21)三重
総評
- 島本先生より
- いやみんな上手すぎ!
今回力不足に感じた人も、何作か描けばレベルがすぐに上がると思うし、そのまま掲載してもいきなり人気取りそうな怖れのある作品が多々あり、非常に楽しみでありコワイです。読む側を楽しませる為に、描く側も楽しんで考えながら作品作りが出来たら良いのではないかと思います。 - 編集部より
- 今回は夏休み前という事もあってか、やや低調気味な空気もありましたが、それでも2名が入選デビューを勝ち取りました。『アーミー・クロー』の森餅小梅先生は読者を魅せる事が出来る華のある画力を、『遊部さんと放課後』のぱんやかわ先生は空気感を作れるほどの丁寧な描写力を評価されての受賞となりました。
両先生共に読者にわかりやすい、とても丁寧な描写力(キャラクター、心理、背景など)がとても高評価だったのですが、最近応募作を読んでいて感じるのは、この“丁寧さ”が欠けているなという事です。特に描線が粗い作品が増えているように思います。
線というのは自分の意識次第でいくらでも丁寧に出来る一番簡単な技術向上ポイントです。且つ、読者からも真っ先に目に飛び込んでくる画面のイメージを作るとても大切な部分です。その一番簡単な部分をさぼっているようでは、せっかく内容が良くても読者は読んではくれません。線には魂がこもると言いますが、丁寧に描いたものには読者もきちんと向き合ってくれます。まずは一本の線を丁寧に描くことから始めてみてください。